いきなりですが、クイズです。「日本でチェスが一番強い人は誰でしょう?」。
プロのチェスプレイヤーじゃないかって? いいえ、ちがいます。答えは、なんと将棋の羽生さんです。
ちょっとまって! 羽生さんはチェスのプロじゃないでしょ。その通り。プロのチェスプレイヤーではありません。羽生さんにとってあくまでもチェスは「趣味」。なんとその趣味で始めたチェスで、日本一になってしまったのです。
チェスの強さはレーティングとよばれる点数で示されます。日本で一番レーティングが高いのは、チェスプレイヤーの小島慎也さん。でも最強なのは羽生さん。なぜならナンバー1プレイヤーの小島さんと直接対決して、勝っているからです。
でも、なぜ羽生さんはチェスが強いのでしょう?
それはチェスと将棋は似ているから。どちらも盤の上にすべての情報が出ていて、お互いに一手づつ駒を動かす。そして運の要素がない。つまりチェスも将棋と同じように、読みの深さの勝負。
読みの深さを競うゲームに、羽生さんは鬼のように強いのです。
ちなみに小島さんは、チェスのライバルとして羽生さんと親交があるようです。ある日のブログにはこう書かれています。
ハワイ直前に行った3月のトレーニングから3か月が空き、久々に羽生さんと指す機会が訪れました。名人位を防衛されたその夜に、私にトレーニングの誘いがきたことは、素直に驚きです。
さらっと恐ろしいことが! 朝から晩まで戦うハードな「名人戦」を戦い終え、(しかも防衛)へろへろになっているはずなのに、その夜に小島さんをチェスに誘っているのです。
例えるなら、カレー100杯大食いチャレンジを成功したその夜に「カレー食いにココイチ行こうぜ!」と陽気に電話がかかってくるようなもの。これはもう変態です。
羽生さんも変態。ここまでくると脳みそを使いたくて仕方ない「脳みそジャンキー」としか思えません。これではふつうの人間が勝てないはずです。もし羽生さんがチェスだけをやっていたら、間違いなく世界一。そして趣味で将棋を始めて名人になってしまうでしょう。