なぜ将棋の羽生さんは相手が早く投了すると怒るのか?

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「負けました」

 将棋は相手が「負けました」といえば勝ちで、これを投了(とうりょう)といいます。相手が投了したら自分の勝ちだからうれしいんです。ただ羽生さんだけは、早く投了されると顔を真っ赤にして怒ります。勝ったのに怒るんですよ?


 将棋の世界は弱肉強食。勝ち星が多ければ多いほどランクもあがり、収入も増えます。逆に負け続けるとプロを引退しなければならない厳しい世界。ですから勝ったのに怒るなんて、ありえません。

 羽生さん本人は「怒ったつもりはない」らしいですが、怒られた山崎さんは「怒ってた」と言っています。NHK将棋講座6月号によれば「まだまだ難しい将棋だったのになぜここで投了するのかというようなことを言われたと記憶しています」と山崎さんは語っています。

 これは典型的な「怒った方は覚えてないけど、怒られた方はがっつり覚えてるパターン」です。

 でも、なぜ羽生さんは勝ったのに怒るのでしょう?

「勝負はまだまだこれからだから」「もっと将棋を楽しみたいから」なんて意見がありそうですが、ちがいます。羽生さんは、エクスタシーを邪魔されたから怒っているのです。

 勝ちを読み切ると羽生さんの頭の中には脳内麻薬があふれだし、手がぶるぶる震えます。これは勝利というエクスタシー前の、最高に気持ちいい瞬間。ですから手が震える前に投了されると、顔を真っ赤にして怒るのです。「これからが気持ちいいのに! 俺のエクスタシーを返せ!」と。

 また『戦う頭脳』という本の中で羽生さんは「こうみえて短気なんです」と語っています。ですから「早く投了したら怒った事件」の真相は、エクスタシーを寸止めされてカッときて怒ってしまったのでしょう。

 他のプロはランクや収入アップを考えて、何より勝ち星を優先させます。ですが羽生さんだけは、己の快感を求めて将棋を指しているのです。

参考動画 【将棋】羽生善治、第57期王座戦で山崎隆之があっさり投了した件を語る。